名古屋バロック音楽協会

過去のセミナー 1991~2000年

-- 2000年度 夏季セミナー --

■日程

2000年8月12日(土)~15日(火)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

濱田芳道先生(Rec)、石川かおり先生(Vdg)、西山まりえ先生(Cem)、永田平八先生(Lt)
ゲスト:ラファエル・ボナヴィータ先生

■クロージング・コンサート 曲目

1) G.Guami/La Lucchesina
伊藤美代子、小菅直子、宮田有希、服部好弘、山内里恵、鈴木 忠、深谷宣子、
奥長えり子、赤坂泰志、村上百合、角田正大、吉野実花、西野潤一
2) C.Sermisy/Tant que vivrai、P. Passereau/Il est bel et bon
江間 翠、服部真理、原田美穂、武藤彰良、西野潤一
3) B. Greebe/VIII. a. Paduana a 5 & VIII. b. Galliard a 5
伊藤美代子、草野芳史、深谷宣子、熊谷寿彦、林 憲志
4) B. de Selma y Salaverde/Vestiva i Colli passeggiato a 2 Basso e soprano
赤坂泰志、鈴木 忠、西山まりえ先生
5) C. Monteverdi/Non e di gentil core
岩松佐智子、牧山美由紀、中山晴美、西野潤一
6) G. Ph. Telemam/Triosonate B-dur 第1・2楽章
林 憲志、草野芳史、大橋明美、武藤彰良
7) F. Couperin/'La Superbe ou la Forqueray'(Dixseptieme Ordre)
8) G. Sammartini/Triosonate D-dur
小菅直子、宮田有希、草野芳史、西山まりえ先生
9) M. Marais/Suite 5 Prelude,Caprice,Passacaille
片岡博明、柴田直樹、杉山秀郷、蛇子昭治、高田和子、中山佳奈恵、中山 徹
10) J. Ward/Fantasia a 5 No. 8
御室哲志、服部好弘、中山晴美、中山佳奈恵、中山 徹
11) J. S. Bach/Viola da Gamba Sonata No,2 D-dur BWV1028 Adagio,Allegro
御室哲志、高田和子
12) F. Turini/Sonata a 3'Il Corisino'
中山晴美、村上百合、鈴木 忠、西野潤一

■セミナーのもよう(セミナー事務局より)

1) アントネッロを呼ぶということ
今年のセミナーの講師には、かなり以前から目をつけていた濱田先生とロンドンの竹内先生を招聘するつもりでいました。途中でガンバはロンドン在住の市瀬礼子先生に決まりかけたのですが、濱田先生にお願いした際、先生の方からアントネッロの3人でどうかとのお話を頂き、濱田先生、西山先生、石川先生と竹内先生というバロック協会らしい楽器の組み合わせになりました。今年、声楽や他の楽器がないのは昨年のセミナーでは人が集まり過ぎて練習場所がなくなってしまったことからの反省です。
7月に入ってから、竹内先生に突然不都合が発覚し、急遽、リュートは永田先生にお願いすることになりましたが、今回に関しては、普段からいっしょに活動なさっている先生方の方向性が一致しており、合宿全体の統一感もより一層高まったような気がします。
【 アンケートから 】
・「今年は、とにかく講師演奏会のインパクトがものすごかったです。ノリノリで、あんな演奏があるんだなぁ、と終了後は興奮状態でした。とくにラストのヘンデルのソナタが、とんでもなかった・・・」ヘンデルではチェンバロ、ベース(ガンバ)、サイドギターがコードとリズムを受け持ってその一段前にリコーダーがソロを取るという、まるでバンドのような編成で、徹底して装飾された旋律の妙技とタイトなリズムがとても気持ちのいい演奏でした。CDの録音予定もあるそうです。「レッスンでは、その演奏のノリの極意(?)を教えて頂きました。拍のとり方が今までとまったく違い、強拍よりも裏拍を強調というか、重くするというか、そんな感じの指導を受けました。テレマンのトリオでは、“ダバダバダバダバ・・・”というイメージで弾いてのことで、このまるで古楽とは違うと思っていたノリが、ビート感、スウィング感を生み、にわか仕込みながら、一挙にアンサンブルが楽しくなりました。」
・このリズムの裏打ちがアントネッロのアイデンティティの大きな部分を占めているような気がします。ともかく、ノリがいいのですよ。濱田先生のレッスンでは笛を吹きながら(中にはガンバを弾きながら!)踊らされている人がいました。
・その横ノリはまるでパラパラでしたが、「パラパラって何?」と言う人が圧倒的というところが、さすが、バロック協会。その後、演奏しながら踊っている人がそこここで見受けられたのはいうまでもありません。
・ここまで徹底した方法論は混成チームでは実現できないことを痛感しました。恒例のインタビューでは、先生方がアントネッロの方法が異端扱いされる危険性について色々お話していただいたのですが、古楽の世界も今や教条主義にはまり込んでしまったことを改めて感じました。
・元々、僕が古楽の世界にどっぷりはまったのはクラシック系教条主義から一番遠い世界にあり、情報も不確かなために常に勉強をしていかないといけない代わり、想像力を働かせる余地が大きいところに魅力を感じていたからです。アントネッロの方法論への強い意欲はそれを強く感じさせるもので、自分と同世代であることも加わってとても魅力的なものでした。最後に、インタビューから、いくつかの言葉を。「(ヘンデルを作りこむには)千回くらい喧嘩しました。」「僕たちは練習時間が少なくて本番をやったことを自慢しようとは思っていません。」「僕らなら理論書を20提示できるけれど、(他の演奏家は)どれ位提示できるでしょうか?」
2) ゲスト ラファエル・ボナヴィータさんのこと
「アントネッロのメンバーの演奏は皆のりが良くて、楽しかったのですが、私が一番感激したのはボナヴィータさんでした。周りの人から彼の経歴などを聞いていたので、まだしも納得でしたが、あんなほんわかしたキャラクターがギターを持つと超かっこよく変身するのは見物です。」今回のセミナーで僕が一番びっくりしたのはこの人の出現でした。講師演奏でのギターの強烈なこと!西山先生のお友達ということで、8月にコンサートやレコーディングの関係で来日するため、この合宿にも同行されることはかなり前から決まっていたのですが、講師としての招聘は見合わせていました。正式な身分ではなく気楽に来てもらえたのでそれもよかったのではないかと思っています。まだ、若くてあまり名前も知られていませんが、数年後にはトッププレーヤーになっていることは間違いないでしょう。そんな人に来てもらえたというのは、本当に幸運でした。

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-- 1999年度 夏季セミナー --

■日程

1999年8月11日(水)~14日(土)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

向江昭雅先生(Rec)、R.Brown先生(Vn)、福沢宏先生(Vdg)、M.Meyerson先生(Cem)
佐野健二先生(Lt)、平井満美子先生(Voc)

■クロージング・コンサート 曲目

1) ガンバコンソート/ホルボーン
服部好弘、御室哲志、大西万喜、草野芳史、熊谷寿彦
2) ジュルヴェーズ/パヴァーヌ&ガイヤルド
天野敦子、小菅直子、宮田有希、山内里恵、片岡博明、江間翠、西野潤一、原田美穂
3) リュートデュエット
江間 翠、原田美穂
4) ダウランド/フローマイティアーズ
津山さゆり
5) フレスコバルディ/そよ風吹けば
斎藤こずえ、武藤彰良、浅海恵理
6) モンテヴェルディ/ニグラスム
服部一成、武藤彰良、西野潤一
7) フレスコバルディ/アリアディパッサカリア
毛利優子、西野潤一
8) モーリー/ファイアファイア
即席合唱団
9) バルバストル/デリクール
高田和子
10) パーセル/Two One in upon a Ground
井上 亨、杉山秀郷、林 憲志、武藤彰良
11) F.クープラン/シャコンヌ
中山 徹、中山佳奈恵
12) ボワモルティエ/ソナタ ト長調
奥長えり子、杉山協子、赤坂泰志、柴田直樹、西野潤一
13) C.P.Eバッハ/トリオソナタ 第2楽章
渡辺瑞衣、前田 剛、草野芳史、佐藤仁美
14) デュフリ/メデ
浅海恵理
15) フィリドール/ソナタニ短調から抜粋
奥田直美、大西万喜、浅海恵理
16) ラモー/コンセール第5番 フォルクレ
水沢詩子 片岡博明 服部好弘
17) テレマン/トリオ ヘ長調
柴田直樹、熊谷寿彦、中川 剛、公月愛子

■セミナーのもよう(セミナー事務局より)

いやー、とにかく盛況でした、今年は。去年が歴史的な不入りだったのに比べて今年は、なんでここまで、と言うほどの大入り(総勢50人!!)で、正直いって大変だったっす。人数が多い分だけ新人の方も数多く、22人と全体の半数に迫る勢いでした。皆さん、来年も来てくださいね。
別に合宿担当者の心の中では、去年と今年でそれほど大きな差をつけたつもりはないんですが、傍から見ると大きく違うんでしょうかね。先生の数が4人から6人(リュートコース4名、ヴァイオリンコース3名)とか、ガンバ協会と日程が重ならない(ガンバコース3名から9名!)とか。うーん、確かに違うかもしれない。
で、例年ですとここでアンケートの紹介なぞを行なうのですが、今年はみんな「セミナー事務局さんたいへんですね」ばかりで、記事にならなかったりします。(別にねぎらいの言葉に文句をつけてる訳ではないですよ)あえて意見を探すと特定の方のものに偏ってしまうので、どうせ偏るなら今年は独り言でも言わせてもらおうかと。(いつもそうじゃないかって、確かにその通りで)例年通り素晴らしかったのは講師演奏会。「イギリスのナイチンゲール」に始まり、テレマンのヴァイオリンとリコーダーのためのトリオソナタイ短調。バッハのリュート組曲ト短調(無伴奏チェロの5番ともいう)から抜粋をガンバソロで。カリッシミの「マリア・ストゥアルダのラメント」。佐野先生新調の巨大アーチリュートでザンポーニのプレリュードとパッサカリア。ルイ・クープランのプレリュードとパッサカリアハ長調。コレッリのフォリア。最後はパーセルの曲を全員で、と講師の数だけ盛りだくさんな内容でした。テレマンやコレッリはほとんど合わせの時間も無いはずなのに本当に素晴らしかった。そんな中で一番印象に残ったのは、というとコレッリのガンバですね。あれは神業です。レッスンについても本当に評判が良かったです。一流の演奏家がこんなに親身になって手を取り足を取り教えてくれるというのは古楽ではアマチュアとプロの垣根がまだ低いからでしょうね。カルチャーショックを受けていた人も何人かいたようです(主に学生)。先生方には本当に感謝しています。至らぬことも多いのに本当に申し訳なく思っております。
ただ、今年は受講生が多すぎてうまく交通整理できませんでした。端的にはアンサンブルレッスンについて、各グループについて練習会場と時間を確保しきれない、と言う問題が発生しました。事前練習があまりできなければ、レッスンも進捗レベルがどうしても停滞する、ということになります。一発あわせでのレッスンというスタイルの限界に直面してしまったわけですね。ではどうしたらいいか、というと、これがあまり解決策が見当たらないのが困ったところ。日程を5日間にするとか、事前にアンサンブルメンバーと曲を完全に固めておくとかありますが、前者は僕のような普通の会社員にはかなり辛いですし、後者はドタキャンや土壇場参加(この人たちのおかげで赤黒の境界に来るので、とても拒めません)の多いこの合宿には余り向いていません。取りあえずは、来年は今年ほど欲張らないように人数制限(1コース6人程度)をつけようか、といったところでしょうか。そうすれば少しは余裕が出来て、交通整理もできるでしょう。

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-- 1998年度 夏季セミナー --

■日程

1998年8月9日(日)~12日(水)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

篠原理華先生(Rec)、神戸愉樹美先生(Vdg)、芝崎久美子先生(Cem)、木島千夏先生(Voc)

■クロージング・コンサート 曲目

1) ガンバコンソート(ルポ・フレスコパルディ)
服部好弘、山根健一、草野芳史、井上景
2) 合唱(ヴィクトリア・モーリー)
山崎真奈美、大橋明美、杉山協子、鈴木忠、片岡博明
3) レイエ/ソナタa-mollから 第1楽章
天野敦子、林憲志
4) パーセル/グラウンド
服部真理
5) ダングルベール/プレリュード
大橋明美
6) スヴェーリンク/ラクリメ
山崎真奈美
7) ドレ/組曲2番から プレリュード
服部好弘、山根健一
8) フォルクレ/組曲4番から サラバンド&ドーポォンヌ
山根健一、服部好弘
9) ヘンデル/トリオソナタg-mollから 第1・2楽章
柴田直樹、小菅直子、服部好弘、吉竹百合子
10) テレマン/トリエット第1番から 第3楽章
片岡博明、前田剛、草野芳史、大橋明美
11) ヴェラチーニ/ソナタ a-moll
柴田直樹、吉竹百合子
12) ウィリアムス/トリオソナタ a-moll
杉山秀郷、彦坂幸信、山根健一、吉竹百合子

■セミナーのもよう(セミナー事務局より)

98年度のバロック協会夏季セミナーですが、97年度にあまりに巨大化してしまったことに対してちょっと私が疲れてしまったので、講師の数を4人と少し抑えてみました。そうしたら、何というか...講師の数以上に受講生が減ってしまい、限りなく経済的に問題のある合宿となってしまい、結構つらかったです。まぁ、そんな愚痴はさて置いて、例年通りアンケートをもとにした振り返りをやってみましょう。
・芝崎さんのレッスンはとてもよかったです。やはり、通奏低音のメソッドがしっかりした方の言うことはわかりやすい。」
… これはリコーダー受講生の感想です。そうですね、一度通奏低音をテーマとしてセミナーを開いてみるのもいいかもしれませんね。何と言ってもバロック音楽は通奏低音の音楽なのですから。
・「クラヴィコードがあったら良いな。」
…来年は準備しようと思っています。(安達さんのやつ)
・「朝の体操はとても気持ちよくその後のレッスンでは深い呼吸で弾くことができた気がします。怪獣体操はとても参考になりました。」
…今年の目玉は、これでしたね。木島さんの通称「怪獣体操」。元々は声楽のための体を使いきるための呼吸法とそのための筋肉の使い方から来るストレッチを中心としたメソッドなのですが、呼吸法と言えば管楽器はもちろんのこと他の楽器にも通じる音楽の基本中の基本なわけで、これは良いと言う評判が合宿2日目(体操は初日)にしてたち、3日目には全員参加としてしまいました。人数が少なかった分だけ機動的な対応もできたわけです。身体を動かすと言うことはこのセミナーでは初めての経験でしたが、やっぱり面白い。次はダンスでしょうかね。
・「寸前まで参加を迷いましたが思い切って参加してよかったです。チェンバロ、トラヴェルソ、リュート、ガンバ、etc.生の音に触れて漬かりたかったので希望がかないほっとしております。皆さんの暖かい雰囲気の中で練習もたくさんできこれからのよい励みになりました。
…こんな感想が一番嬉しいですね。レギュラーメンバーがかなりの部分を占めるセミナーではありますが決して閉鎖的ではないと思っています。初めての人も楽しんでかえって頂いていますので、是非、今まで参加したことのない方も来年は参加してください。(結構切実なお願い^-^)
・「人数は少な目でも密度が高かったと思う。いろいろなことを体験させて頂いたセミナーでした。とてもとても充実した4日間でした。下界に降りたくないなー。」
…人数が少なかった分だけ特別な講習(特に初心者向け)ができた合宿でした。初心者向けのガンバコースやチェンバロコース、声楽コースがやたらと繁盛していました。経済的には随分と大変でしたが、参加者にとっては例年以上にいろいろなことにチャレンジできたセミナーになったのではないかと思っています。
・「講師の先生の演奏会が素晴らしかった。初日の夜にいきなり素晴らしい演奏会があり、強烈な印象を受けました。あのようなこじんまりした会場で、ナマの演奏を聴けたということは、本当に贅沢だと思います。」
… これが楽しみで毎年企画しているようなものです。これまでにも幾多の名演奏を聴く事ができました。講師の先生方、多謝であります。

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-- 1997年度 夏季セミナー --

■日程

1997年8月9日(土)~12日(火)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

中村忠先生(tFl)、R.Brown先生(Vn)、坂本利文先生(Vdg)、
M.Meyerson先生(Cem)、佐野健二先生(Lt)、平井満美子先生(Voc)

■クロージング・コンサート 曲目

1) リュートアンサンブル
2) ガンバコンソート
3) マショー/(合唱)私の始まりは私の終わり
4) リュートソロ
5) パーセル/しばしの間の音楽
6) マレ/ピエス
7) ブラヴェ/デュエット
8) カンプラ/アリオン
9) ボワモルティエ/3本のフルートのためのソナタ
10) テレマン/トリオソナタ
11) C.P.E.バッハ/トリオソナタ
12) ルクレール/トリオソナタ
13) モンテヴェルディ/デュエット
14) テレマン/トリオソナタ

■セミナーのもよう(セミナー事務局より)

『ミッチマイヤーソン先生の衝撃』
「とんでもない人を呼んでしまったものだ。」これがミッチさんのレッスンを聴いた私の第一印象です。
「今後チェンバロを続けていくに当たっていろんな意味で勉強になり、また発見あり、Powerになりました。」「ミッチ先生のレッスンを受けることができて本当によかったです。」「パンチを5発くらいくらったようなカルチャーショックを受けました。」これはみなチェンバロ受講生のアンケートからの抜粋です。
トリオソネリーのチェンバリストとして数多くのCDを録音してきた彼女のような海外の大物をなぜ呼ぶことができたのか。これは実は、本当にちょっとした偶然の重なりの産物なのです。今回の仕掛け人は東京医科歯科大学に勤めるVn奏者の某M氏。彼がアメリカに留学中にイギリスまでの飛行機でたまたま隣り合わせたのがミッチさん。これは本当に偶然。そのあと、彼と彼女はロンドンでも行き会ってそのうちに日本に行きたいと言う話まで持ち上がって、後は勢いのままにコンサートの企画までいってしまったわけです。それが日程的にたまたまバロック協会の合宿と重なったこと、夫君であるロバートさんが、エウロパガランテや北トピア関係で来日して日本びいきになってくれたこと、彼らが日本の演奏家を教えたいと思ってくれたこと、さらにM氏と私がたった1回しか顔を合わせたことがないにもかかわらず、不思議と話が合ってしまっていたこと等々の不思議な偶然が重なって、本当になぜなのか、名古屋バロック音楽協会の合宿という、都留あたりに比べれば極一部の人にしか知られていない場所に来ることになってしまったのです。この偶然の重なりには本当に運命のようなものさえ感じてしまいます。
日本にはミッチさんの実力はほとんど知られたいませんでした。大体,M氏にしても私にしてもミッチさんのライブは実演はおろかライブ録音さえも聴いたことはなかったのに、CDの印象と直感だけで話を決めてしまったのです。もし、録音がいいだけで実演がたいした人でなかったらどうしようなんて考えもしなかった(結構よくあるケースですよね)。よく考えてみれば恐ろしい話です。でも、ミッチさんとロバートさんは我々の予想をはるかに越えた素晴らしい人たちでした。(中村先生や坂本先生、佐野・平井夫妻は当然ですが、とても素晴らしい先生でした。でも、日本に来る費用を自分持ちにしてまで来てくれた彼ら二人を少しくらい余計に誉めても、彼らの実力を知って頂けているので諸先生方からもお許しいただけるのではないかと勝手に思っております。)
レッスンを聴く限り、ミッチさんの解釈は決して奇をてらったものではない実にオーソドックスな解釈で、誰もが納得できるものなのだけれど、尋常でないのが彼女がそれ=自分の解釈を表現する力しょう。生徒さんが話してくれたことですが「レッスンを受けて一番印象に残ったのは、お別れの時に『怖がらないで』と言われたこと」だそうです。これは表現に当たって自分の考えを思い切って出すということで、彼女がそれまで習ってきたことは、まず曲の様式をどう捕らえるか、その中での表現をどう扱うかだったけれど、自分がこうしたいと思ったことを「怖がらず」に表現することが音楽では何より大事だ、と。
彼女のファンタジーの豊かさはちょっと驚異的なものでした。例をあげるとルイ・クープランの有名なC?durのシャコンヌで、生徒にグランクプレをもっと変化をつけるように10回弾き方を変えて弾いてみなさいと言ったのですが、正直なところ生徒さんにはそれ程引き出しがあるわけではない。少しずつは変わっているかな、パターンを羅列しているだけかなと言った感じ。しかし、ミッチさんが模範演奏をすると、まったく違ったヴァリエーションがそれぞれが今生れたばかりであるかのような新鮮さで、次から次へと繰り出されてくるのです。圧倒されてしまいました。
今回の合宿はなんと6人もの講師を招くという財政破綻必至の大盤振る舞いをやらかしましたので、正直、全体像は私もほとんど把握できません。ということで、恒例のアンケート紹介から、雰囲気をお伝えしましょう。
・「アンサンブルを経験できて楽しゅうございました。なかなかトリオとかガンバコンソートなどできないことができるというのが嬉しかったので(しかも夜中音が出せる!)1ヶ月分練習した気分です。皆さんたくさんの楽器を手をかえ品をかえ持ちかえしはってええなーって感じ。」
・「疲れました。毎日のんきに暮らしている私には真人間になったような気がする程よくお勉強させて頂いた日々です。楽しかった。」
・「今年は結構忙しかったので少しペースダウンしましょう。でもおもしろかった。 」
・「久しぶりに時間に追われず(時計を見るのは寝る前と起きる時だけでした)Vnが弾けてhappyでした。Lt族、VdG族、Rec族・・・それぞれ顔つきで分かるような気がします。
・「ハク力でした。でも私はのんびりさせてもらいました。でも「HOTEL」を全部読めなかった。残念。」
・「4日間ではちょっと物足りない。都留音楽祭など5日間の講習会に慣れているせいか、レッスンが実質2日間では細かいところまで突っ込んでいけないと思いました。
・「特にロバートブラウン先生のアンサンブルレッスンは非常に細かいところまで注意が行き届き、良いレッスンでした。」
・「平井先生の個人レッスンも、2人伴奏しましたが、良いレッスンで、お弟子さん以外の受講生が一人だけなのはとても勿体なかった。」
最後に講師演奏について。今年の講師演奏は過去に例がないと言ってしまいましょう。本当に凄かった。佐野・平井夫妻のダウランドとイングリッシュトラッドの泣かせる演奏に始まり、ロバートさんとミッチさんのコレッリ(とても二人だけとは思えない強力な演奏)、デュフォー、マレのフランス趣味を大阪組が演奏した後に続き、チェンバロ、リュート、ガンバの強力コンティヌオによるヘンデルのOp1-5が華やかに奏され、パーセルの「ローズガーデン」という代表的マッドソングの後、ミッチさんのソロでマッドな作曲家最上級のフォルクレが続くという恐ろしいような進行。最後はtuttiによるパーセルと本当に盛りだくさんで時間的にも1時間30分くらいを一気にやってしまうという荒業でした。

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-- 1996年度 夏季セミナー --

■日程

1996年8月10日(土)~13日(火)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

向江昭雅先生(Rec)、田崎瑞博先生(Str)、副島恭子先生(Cem)、佐野健二先生(Lt)

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-- 1995年度 夏季セミナー --

■日程

1995年8月11日(金)~14日(月)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

伊藤雅史先生(Rec)、福沢宏先生(Vdg)、小島芳子先生(Cem)、竹内太郎先生(Vdg)

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-- 1994年度 夏季セミナー --

■日程

1994年8月12日(木)~15日(日)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

中村忠先生(tFl)、永田平八先生(Lt)、榎本宏子先生(Cem)、神戸愉樹美先生(Vdg)

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-- 1993年度 夏季セミナー --

■日程

1993年8月12日(木)~15日(日)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

花岡和生先生(Rec)、坂本利文先生(Vdg)、副島恭子先生(Cem)、中川祥治先生(Lt)

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-- 1992年度 夏季セミナー --

■日程

1992年8月12日(水)~15日(土)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

伊藤雅史先生(Rec)、榎本宏子先生(Cem)、福沢宏先生(Vdg)

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-- 1991年度 夏季セミナー --

■日程

1991年8月11日(日)~14日(水)

■会場

オープンハートペンション平川
〒506-1315 岐阜県吉城郡上宝村荒原 tel 0578-6-2235
WEBサイト:http://www.openheartpension.com/

■講師

花岡和生先生(Rec)、神戸愉樹美先生(Vdg)、鈴木美香先生(Cem)

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